remember

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ゆう、ゆう、と控えめな声で呼びかけられる。有は寝返りを打とうとしたところで急に覚醒した。返事をしようとしたが声が出ない。咳ばらいをすると、少し喉が痛んだ。 天井にある蛍光灯の明かりが眩しい。目を擦った。  亘の顔が至近距離まで近づいてきて、鼻と鼻がぶつかった。 「覚えてるか?」  亘が心配そうに聞いてくる。有は一瞬、覚えていない振りをしようかと思ったが、やめた。ふざける場面じゃない。本気で亘は不安になっているのだ。 「覚えてるよ。いっぱいしたよな」  隣で寝ている亘を抱き寄せる。  さっきまで長い時間、抱き合っていた。一回目が終わったあとも、有の体は余すことなく、亘の手のひら、指先、唇、舌で可愛いがられた。有も亘のものを愛撫して勃たせ、挿入に導いた。お互い我を忘れ、奔放になって求め合った。喘ぎすぎて喉が痛いし、二回も亘を受け入れた場所は、摩擦のせいでジンジンしている。 「いま何時?」 「夜の八時。けっこう寝ちゃったな。有はお腹すいてる? 夕飯どこか食べに行く?」 「そうだね。食べに行きたいけど――でもちょっと、話したいな」  亘の広い背中に腕を回したまま、有は気になっていたことを聞いてみる。     
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