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亘が得意げに言うので、有は笑ってしまう。
その通りだった。元旦に亘にされた告白は、凄く長くて、誠実で、心に響くものだった。
「だから四回目は手抜きになった。ごめん」
手抜き、のフレーズに、有はとうとう吹き出した。
――あと、俺たち付き合おうな。これを機に。なんの問題もないだろ? 俺はおまえのことが好きだし、おまえは俺のことが好きなんだから。
不遜ともとれる告白だった。お互い好き同士という前提で、同居を打診してきたのだ。
有が笑っている隙に、亘が覆いかぶさってくる。また深いキスを仕掛けられ、有は「ちょっと」と不満を口にした。
「もっと話したい」
「過去よりも今が大事だろ」
亘が悪びれる様子もなく、有の股間を弄ってくる。
「もう大丈夫なんだろ? 有」
低く澄んだ声で、亘が訊いてくる。確認するように。
彼の眼差しは優しかった。有のすべてを包み込んでくれるような穏やかさがある。でも、情熱も含有している瞳。
「大丈夫だよ。もう怖くない」
すると、亘は急に企んだ笑みを浮かべた。
「じゃあエッチ解禁だな」
まだ柔らかさの残る後孔に指を挿入される。
「あ、亘、待って」
「待たない。どれだけ我慢したと思ってるんだ」
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