an aunt

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 倉庫部屋の遺品紛失が発覚した二日後の月曜日の夜、有は仕事を定時で終わらせて、会社から電車で一時間の距離にある伯母の家を訪れた。彼女の住処は十年前から変わらない。築二十年を過ぎた家族向けのアパートの一階だ。有はここを四年半ぶりに訪れた。大学時代、何度か祖母に会いたいと伯母に電話をかけたのだが、毎回「お祖母ちゃんの具合が悪いから」と断られたのだ。そうこうしているうちに、ずっと二人と会わないできてしまった。伯母からは週一のペースで電話がかかってきていたので、久しぶりに会うという感覚はない。  ――ばあちゃん、元気かな。  手土産でも持ってくればよかったかと後悔する。  伯母の部屋の前に立ち、インターホンを押した。ややあって、スピーカーから「どちら様?」と声が飛んできた。 「有です。お久しぶりです」 「有ちゃん?!」  十秒もしないうちに、慌てたようにドアを開錠する音が聞こえた。 「あらぁ、久しぶりね。ずいぶん大人っぽくなっちゃって!」  ドアを開け、有の顔を確認したとたん、伯母が満面の笑顔になった。相変わらずふっくらした頬には、えくぼが二つできるのだ。     
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