a colleague at work

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 藤崎は大学で心理学を専攻していたそうで、産業カウンセラーの資格を持っている。従業員の相談窓口という仕事も担っているというのに、この口の軽さ。致命的だ。 「ルームシェアっていうより、部屋を貸してるんだっけ?」 「まあ、そうです」  もともと今住んでいるマンションは、有の両親がローンを組まずに一括で購入した家だ。3LDKという、家族向けの広さ、部屋数。そこに高校生に入学した頃から一人で住んでいた。有が中三の時に両親が他界したからだ。  今年の三月の下旬、亘が有のマンションに転がり込んできた。  ――俺の家から会社まで一時間半かかるんだ。だからお前んちに住まわせてくれない?  有のマンションは目白、亘の会社は渋谷だった。電車で一本、十五分の距離なのだ。  そして、オマケのように告白してきた。  ――あと、俺たち付き合おうな。これを機に。  思わず「え?」と聞き返していた。長い片思いのせいで、とうとう耳がおかしくなったのかと思った。  ――なんの問題もないだろ? 俺はおまえのことが好きだし、おまえは俺のことが好きなんだから。  それまで亘への恋情は押し隠しているつもりだった。友達として長く付き合っていければ満足だと、自分の気持ちを戒めてきたというのに。有の気持ちはとっくにバレていた。そして亘はなんの前触れもなく、しれっと有に告白してきたのだ。     
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