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どうにも落ち着かない気持ちでいると、桐谷がトレイにココアとコーヒーを乗せて戻ってきた。
柔らかな湯気をあげるココアとコーヒーをテーブルにを置くと、桐谷は俊の向かいのソファに座る。
桐谷がコーヒーに口をつけたので、俊もココアを一口飲んだ。
砂糖の代わりに蜂蜜が入っているようで、独特の優しい甘さが少し気持ちを落ち着かせてくれるようだった。
俊はココアが入ったマグカップで顔を隠すようにして、桐谷の顔を盗み見た。
見れば見るほどかっこいい人だと思う。
中学時代からかっこよかったけど、今は大人の男の色気が加わり、いっそう魅力的だ。
いつまでも彼の顔を見つめていたいという誘惑が、俊の心に込み上げてくる。
その誘惑を断ち切るように俊は口を開いた。
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