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決意と告白
正直、俊はとても怖かった。
でも……。
俊の脳裏に、頭を撃ち抜かれて殺された両親と兄姉の姿が浮かぶ。
十三年の月日を経ても、鮮明で生々しく、血の匂いまでをも伴って。
あの事件の夜がフラッシュバックすると、もうダメだった。
桐谷の話の恐ろしさよりも、自分から家族を奪った犯人たちへの憎しみと、そいつらを自らの手で殺すのだ、という決意が勝ってしまう。
「オレは自分の一生を復讐に捧げるって決めたんです。本当ならオレも十三年前に死んでいたかもしれない。だからもうなにがあっても平気です。復讐は絶対にやめません」
ずっと好きだった人……今でも好きな人……その人に、俊はきっぱりと拒絶の意を示した。
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