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「先輩っ……、やだっ……」
壊れそうな体が抵抗してくるのを難なく封じ込め、桐谷は俊の唇に自分の唇を重ねた。
再会した夜に交わしたような、触れ合わせるだけのキスではない。噛みつくような扇情的な口づけを彼に与える。
呼吸をも飲み込んでしまうような激しい口づけに、俊は息苦しさを感じたのか、酸素を求めるように、唇が薄っすらと開いていく。
桐谷はそれを逃さず、彼の口内に舌を差し入れる。
「んっ……ん……や……」
おそらく俊にとっては初めての大人のキスなのだろう。桐谷の腕の中で身をひねって抵抗してくる。
それでも桐谷は俊を抱きしめる腕を緩めず、彼の口内を存分に堪能してから、ゆっくりと唇を解放した。
二人の唇のあいだに糸が引き、受け止めきれなかった唾液が俊の唇の端から滴った。
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