計算ができなくなる

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人生とは1+1=2で証明できる。 それが29年間で得た答えだ。 私は常識を重んじる合理主義者である。 大学を卒業して、公務員である数学教師となった。公務員は安定的で堅実的だし、人にものを教える立場の人であれば、回りから重んじられると考えるからだ。 そして、26歳で、地方公務員の人と結婚し、子供を産んだ。計算通りの人生である。旦那は献身的で私の言う事を何でも聞いてくれる人だ。だから計算を外さないとも言える。しかし、地方公務員の年収は400万円程度。だから私は産休後、職場復帰しようと思う。確かに年収1000万円ある人と結婚すれば働かなくてもいいかもしれない。でも私はそれが嫌なのだ。そういう人は思い通りにならないだろうし、それに誰かに生かされている人生では計算できなくなるから。それで2歳の子供を保育所に預けて働こうと考えたが、もっといい方法があった。それは旦那の両親と同居する事だ。そうすれば昼間は面倒を見てくれる。堅実的な考えだと思わないか。 しかし、私のこの考えは崩れていく。17歳の青年に変えられていくなんて、そんな計算できない人生が待ってるなんて。 1+1=3の人生が始まって行く。
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