彼女の命が残りわずかの時

4/4
前へ
/4ページ
次へ
「こ、今回・・・だけ・・・ね?」 「今回だけじゃない、ずっと、ずっとだ。お前と一緒に・・・」 すると吉羅は頬を緩め、ぷっと吹き出した 「あはは!なんて言うのかな、これ。駆け落ち?初めてだけど楽しそうだね!」 ・・・こんな状況でも吉羅は・・・ 全く、仕方ない奴だ。 「うるさいわ・・・。まぁ、とりあえず行くぞ」 「え、でも、どうやってここから抜け出すの?バレたらやばくないの?」 「窓から飛び降りる」 「えええ!?駄目だよ!そんな事したら九雨が死んじゃう!」 「おま・・・ここ1階だぞ?」 「・・・ゑ?・・・」 「はいはい、行くぞ吉羅」 「・・・」 間違った事がよほど恥ずかしかったのだろう。 吉羅はしばらく顔を真っ赤にして俯いていた。 その表情を見て、可愛いな、と思った自分がどこかにいた。 なんとか病院から抜け出した俺達は人混みの仲を歩いていた。 「なぁ、吉羅。お前どっが行きたいとこある?どこでも連れてってやるよ。」 「ほんとに!?!?」 吉羅が満面の笑みを浮かべて俺に問う。 「あぁ、ほんとだ。」 「じゃあね・・・遊園地!遊園地に行きたい!」 「あぁ、いいぞ。そんじゃ、行くか!!」 俺はやっぱり吉羅の事が好きなんだなと再認識して俺達は走り出す。 まだ、1ヶ月後に希望があると信じて・・・
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加