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「王子…気付いていたんですか…イサーチェさんが、歳の差を気にしていた事…」
「もちろんだ、愛した女性の事だからな…」
「王子!!!」
「な、なんだ?いきなり大声を出して?」
「年齢の事なら、任せて下さい。必ず僕がイサーチェさんを説得して、笑顔で王子のお嫁さんになるようにしてみますよ。」
「そうか、タロウがそう言うのなら任せよう。イサーチェの事を頼んだぞ。」
「はい、責任を持って。
それから、一応、もしお城に王子が居なかった時の為に、手紙を書いて来たので渡しておきますね。」
僕は鞄から、ミウに書き直して貰った手紙を出すと、王子に手渡した。
ラウクン王子は、すぐに目を通し、読み終わると「フフフ」と、笑みを浮かべた。そして、
「ミウも幸せそうで、なによりだ。タロウ、イサーチェ共々、ミウの事も頼んだぞ。」
僕は、王子が何を言っているのかわからなかった。手紙には、イサーチェの近況や僕の所に来た理由、すぐに帰れない事などを書いたはずだった。
しかし、後でわかった事なのだが、手紙の終わりに、ミウが王子や家族、友達に向けて、メッセージを付け加えていたのだ。
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