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第五章〔イブレドの宿〕
僕が湖から帰って、チェスハの店で待ってると、ミウが息を切らしてやって来た。
「お待たせ、タロン、チェスハ。」
ミウはこの国の服に着替えており、白いワンピースのような服だった。相変わらず可愛い。
僕は思わず見とれてしまい、固まってしまった。
「ど、どうかな?」
ミウの問いに、チェスハが、
「ほらほらタロン、何か言うことあるでしょ。」
僕は思わず、
「か、可愛い…」
と呟いてしまった。
それを聞いたミウは赤くなり、うつむきながら、
「あ、ありがとう…」
と言いながら、僕の隣に座った。
そして、僕に、
「どうだった?この街は?」
「うん、凄くいい。食べ物は美味しいし、なによりみんな優しい。
あ、そうそう、これを買ったんだ。ミウにあげようと思って。」
僕は鞄の中から、花の形をした髪飾りを取り出し、ミウに渡した。
「わぁ~!ありがとう。可愛い~、着けてみるね。」
ミウは嬉しそうに、頭の横に髪飾りを着けた。
「どう?似合う?」
さらに可愛くなった。
「う、うん。凄く可愛い……」
僕は天にも昇る気持ちだった。すると、
「オッホン!あたしの店で、イチャイチャしない!」
チェスハが割って入った。
「で、あんた、これからどうするの?」
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