534人が本棚に入れています
本棚に追加
/684ページ
「私にもわからないの。タロンを探して歩いていたら、岩山に洞窟があって、もしかしたらこの中に隠れているんじゃないかって、入って行ったらいつの間にか、ここに居たの。そしてある建物から、「ターダのタロン」って声が聞こえて、行ってみると、タロンがみんなから「ターダのタロン」って呼ばれていて、「見つけた!絶対この人だ!」って思ったの。」
やはり間違いなく、ミウは異世界からやって来たのだ。もはや疑う余地もない。
まあ、ヤモリから女のコに変身した時点で、この世の物ではないと確信していたが。
僕は、早くその異世界に行ってみたいという衝動にかられていた。
「よし、僕も早くミウの世界が見たくなったよ。行こう!ミウ、君の世界へ!」
僕は、「よし、決まった!」と思いながら席を立った。しかし、ミウは席を立たず、上目使いで僕を見ながら、ハンバーガーを包んでいた紙を見せた。
「まだ欲しいの?」
僕が訪ねると、小さくうなずいた。やっぱり可愛い…
「じゃあ、お昼ご飯用に持って行こう。」
僕はハンバーガーを2つテイクアウトにし、ミウに渡した。
するとミウはハンバーガーを小脇にかかえ、学校の近くまで行き、見たことない路地に入って行った。
「こんな所に路地なんてあったっけ?」
そこは僕が、毎日学校に行くときに通ってる道だったが、初めて見る道だった。
不思議に思いながらも、僕はミウの後ろについて行った。
気が付くと、薄暗かった路地が白くなり、眩しい光に包まれていた。
そして、ミウの姿が見えなくなった瞬間、目の前に見たこともない広大な景色が広がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!