第四章〔1000人の勇者!?〕

2/11
536人が本棚に入れています
本棚に追加
/684ページ
僕は、おじいさんに頭を下げ、荷台によじ登った。 荷台には、見たこともない野菜や果物が、所狭しと積んでいた。 ミウに話を聞くと、湖の外で取れた野菜や果物を街で売るため、買い付けに行っていたらしい。 すると、おじいさんは、リンゴのような果実を指差し、ミウに何か話している。するとミウが、 「おじいさんが食べてもいいって。」 そう言いながら、ミウはリンゴのような果実を手に取り、僕に渡してくれた。 僕がその果実を手にした瞬間、「バシュ!」 僕の手の中で破裂してしまった。 というより、僕が握り潰してしまったのだ。 おじいさんとミウは、ビックリしたが、僕が何度も何度も頭を下げると、手を横に振り、たぶん「いいから、いいから。」という意味の事を言ったのであろう、まったく何を言っているのかわからなかったが。 おじいさんから、もう1つリンゴのような果実を 受けとると、今度は水風船をつかむような感覚で握った。 そして、恐る恐る食べてみると、ちょっと拍子抜けをしてしまった。 リンゴそのものの味だったからだ。見たまんまのリンゴだった。 ただ、かなり柔らかい、例えるなら、柔らかいテニスボールをかじってるみたいだった。 すると、突然、おじいさんとミウの会話がわかるようになってきた。     
/684ページ

最初のコメントを投稿しよう!