第五章〔イブレドの宿〕

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チェスハが僕に訪ねてきた。 「とりあえず、泊まるとこを探して、しばらくこの街にいるよ。ちょっと調べたい事もあるし。」 「わざわざ宿なんかに泊まらなくても、ここに泊まればいいじゃん。」 「え?ここに?」 すると今度はミウが割って入って来た。 「ダメ!絶対にダメ!チェスハと一緒なんてダメ!」 ミウが僕の腕を掴みながら叫んだ。 すると、チェスハが、 「冗談だよ、冗談。アハハハハ!」 「も~!チェスハったら!」 「ミウはお城に泊まるんだよね。」 「うん、そういう決まりになってるから。」 ミウは少し残念そうだ。 「泊まる宿が決まったら、お城に行くよ。呼び出してもらうから安心して。」 「うん、わかった。待ってるね。」 「オッホン!だ~か~ら~、イチャイチャしない!」 「アハハハハハ…」 それから間もなく、ミウはお城に帰って行った。夕飯の支度やら、いろいろやることがあるらしい。忙しい合間を縫って、僕に会いに来てくれてたのだ。 僕も夕方には、チェスハの店を出た。 泊まる宿を探すためだ。昼間、街をブラブラした時に、何軒かの宿屋の看板は見かけていたので、とりあえず、片っ端から訪ねてみた。すると、 「ごめんね~、部屋があいてないのよ~。」 「悪いな兄ちゃん、満室だ。」     
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