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それを聞いたセオシルは、姿勢を正したまま、
「いえ!自分の方こそ、王子に悪ふざけのような事を行い、大変申し訳ありませんでした!!
罰は受けます。何なりとお申し付け下さい!!」
すると、王子は「ニヤリ」と笑い、
「ほう…いい心掛けだ。それでは申し付ける。仮にも王子であるこの私を騙したのだからな。厳しい罰を与えてやる。」
それを聞いた僕は、
「そ、そんな、王子!セオシルは、ただ王子の事を思って…」
するとラウクン王子は、僕の言葉を遮り、
「タロウは、黙っていろ!
いいか、セオシル。ここに居る不審者タロウを、出来る限り精一杯もてなせ!この私の弟と思ってな!失礼があってはならんぞ。わかったな!」
すると、いままで顔の表情がひきつっていたセオシルは、一気に笑顔になり、「ビシッ」と敬礼すると、
「ハイ!かしこまりました!その罰!このセオシル、この命に替えましてもまっとうさせて頂きます。」
そう言い残すと、セオシルは王子の部屋を後にした。
セオシルが居なくなると、僕はゆっくりと立ち上り、体に巻いてあったロープを自分でほどいた。
そして王子に深々と頭を下げた。
「王子…ビックリさせて、申し訳ありません…」
「な~に、いい刺激になったよ。
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