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「いいから答えて下さい。その返事次第では、イサーチェさんが帰って来る時期が変わって来るんです。」
僕は、真剣な眼差しで王子を見つめた。すると王子は、
「どうやら、真面目な話みたいだな。だとすると、こちらも真剣に話さないと失礼にあたるな。
ああ、私はイサーチェを愛している。妻にしたいと思っている。
どうだ、これで満足か?」
その答えを聞いた僕は、笑みを浮かべ、
「はい、ありがとうございます。イサーチェさんは、必ずこの国に帰って来ます。ただ…」
「「ただ…」なんだ?」
「ただ、今すぐに帰って来る事が出来ないんです。ミウが僕をこの国に連れて来るまで1年掛かったように…」
「なんだ、そんな事か。私はイサーチェが帰って来るなら、何年でも待つぞ、1年か?2年か?」
「えっと…じ、10年…」
「何!?じ、10年!?だ…と…」
一瞬、戸惑った王子だったが、すぐに笑顔に戻り、
「フフフ、面白い。私のイサーチェに対する愛が、たった10年で変わるものか!それどころかこの国をもっと豊かにして、イサーチェをビックリさせてやる。」
「ありがとうございます、王子。その言葉を聞いたら、きっとイサーチェさんも喜ぶと思います。」
「ついでにこれも伝えておいてくれ。「私は年齢の差なんて気にも止めていない。どうか私が死ぬまで側に居て欲しい」とな。」
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