番外編3〔イサーチェの「逆」異世界生活〕

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番外編3〔イサーチェの「逆」異世界生活〕

〔「ただの太郎」でも、この世界を救えますか?〕 番外編3〔イサーチェの「逆」異世界生活〕 僕がラウクン王子から手紙を受け取っている頃、多田野家では朝早くから、伊佐江の叫び声が響いていた。 「母上様!母上様!釜戸がありませぬ!これではご飯が炊けませぬ!!」 「あら、おはよう。伊佐江さん。まだ寝ててもいいのよ。」 「め、めっそうもない!泊めて頂いた以上、何もしないわけには… (わたくし)これでも『ご飯炊き』には自信がありますの。」 「あらそう、ぜひ食べてみたいものだけど、ごめんなさい、もう『ご飯』は炊けているの。」 と、母さんは『電子ジャー』を指差した。 「え?…この箱みたいな物が『ご飯』の入れ物でございますか?」 母さんがジャーを開けると、伊佐江が覗き込んだ。 「あれえ~?!ご飯が、ご飯が炊けてる!火は?火はどこにあるのですか?」 「フフフ、これはね、火を使わずにご飯が炊ける『魔法の箱』なの。」 母さんは、詳しく説明するのが面倒なのか『魔法の箱』で済ませた。 伊佐江はポカーンとしながらも、お手伝いの意地からか、何か手伝える事はないかと、母さんに聞いた。すると、     
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