番外編3〔イサーチェの「逆」異世界生活〕

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「じゃあ、鍋に切った大根を入れてくれるかしら。もうお湯が沸いているはずだから。」 「わかりましたわ。母上様。これを鍋のお湯に…?お湯? 母上様?お鍋が置いてあるだけですが? この黒い台の上に置いてある鍋でよろしいのかしら?」 「ええ、その中に入れてね。」 すると伊佐江は、母さんが火を着けるのを忘れていると思い、鍋を動かそうと触った。すると、 「うわっちっ!!熱っちい!!~あちちちちち~!!!」 その声に驚いた母さんは、 「伊佐江さん!伊佐江さん!大丈夫!? ほら、ここで冷やして。」 と、母さんは伊佐江の手を取ると、蛇口から水を出して冷やした。 「でえ~!!水~!?水が出た~?!!」 いつもは井戸の水を汲んで来て、料理などに使う伊佐江にとっては、蛇口をひねるだけで、止めどなく溢れ出てくる水道の水は、信じられない物だった。 「んな!?なんで?どうして水がこんなに!?」 すると母さんは、落ち着いた様子で、 「伊佐江さん、この国ではね、川の水や湖の水をキレイにしてくれてる人達がいるの。それから、そのキレイになった水と家が『水道管』という道で繋がってるの。だから水を汲みに行かなくても、いつでも水が出てくるのよ。」     
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