好きなことで生きていくと決めた留年生

進むべき道

　留年が確定してしまった。
　大学4年の俺は、無慈悲にも卒業できないことが決まった。
　俺の名前は田村庸平（たむらようへい）。
　都内の大学に通っている。
　黒髪に眼鏡、黒いパーカーにジーパンというラフな格好で大学にやってきた。
　俺は趣味を持っている。その趣味にのめり込みすぎてしまった。

　親には留年したことをまだ伝えていない。いずれバレるだろうが。
　俺は目的もなく大学に来て、適当に大学をぶらついていた。
　もう3月である。
　寒い日がすぎ、暖かい日差しが憂鬱な俺を照らしてくれているが、今いち元気がでてこない。
　春休みに入った学生たちは浮かれ気分になりながら、サークル活動を楽しんでいるのが目に入った。
　全く、青春を謳歌しよって......
　俺は大学時代、サークルにも入らず、コンビニでバイトをし、一人ぼっちの悲しい大学生活を過ごしてきた。
　俺の心の孤独を癒してくれたのはインターネットだけだった。
　俺の趣味は動画投稿をすることである。
　いわゆるYouTuberというのを趣味にしていた。
　ゲーム実況動画、食品レビュー動画をメインに現在進行形で投稿している。
　残念ながらヒューマンビートボックスはできない。