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1.迷子の子うさぎ
それは、ある寒い日の事…。
すっかり日が落ちた夜空からは、しんしんと雪が降る。色とりどりな家々の屋根、灰色だった地面はすっかり白に染まっている。その地面に、モゾモゾと動く小さいモノがいた。
野うさぎだ。
雪と間違えそうな白色の毛に覆われた、まだ小さい子うさぎ。子うさぎは、静かに降り注ぐ雪を薄っすらと背中に積もらせ、冷たいコンクリートの壁に寄り掛かりながらカタカタと震えていた――。
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