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世界王は伝承にて神を煎じたとされているが、それ以外にもあらゆる方法を試みたことが知られている。
特筆すべきは誘拐だ。
病を治すには、何が効くのか試す場が必要だ。そう考えた王は、姫と歳が近い子どもをリストアップ。各方面へ竜を走らせ連れ出した。
集められたその数、述べ数千人。多勢を一箇所で管理するのは不可能だと考えた王は、辺境に収容施設いくつか作り、生活させた。
この場所も、その一つである。
施設で過ごした子ども達は、王の命で城に呼ばれ、人体実験に使われた。
試験薬の投与、魔法効果の検証、未知の細胞の移植。人権は厭わない、残酷な内容が並ぶ。
王を信頼し、何も知らず従っていた竜達は絶望した。
英雄が狂っていると。
嘆き悲しみ、竜達は王の元を去る。
世界王が倒れたのは、それからすぐの出来事だった。
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