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「――どいうことですか?」  意味がわからないと、茨木童子ナオミは阿久良王(あくらおう)タカアキに尋ねる。  ここは米の(こめのくに)国防総省庁舎――別名タンスニゴン――の長である国防総省長官の私室。室内には部屋の主であるタカアキと、側近のエリート兵である鬼男(おにおとこ)鬼女(おにおんな)が一名ずつ。そしてナオミと酒呑童子モトハルの計五人がいる。 「今言った通りです。対策の必要はありません」  予想外の返事に、ナオミとモトハルは顔を見合わせた。タカアキは冗談を言っているのではなく、本気でそう言っている。ナオミもモトハルも、貴重な時間を使ってまでここを訪れたのは、地獄を侵略しようと企む地球人の対策を講じる為だというのに。  ――どういうことなのだろうか?   ナオミは詳しい説明を求めると、タカアキは小さなため息を吐く。 「どういうわけか、私の追加連絡はそちらまで届いていなかったようですね」  と、疑問符を頭の上でクルクル回しているナオミとモトハルに、先に述べた結論の理由をタカアキは淡々と説明する。 「まずこのメールですが――」     
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