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 我々人が住む太陽系惑星『地球』――。 そこは数多くの生命が存在している青き緑の星。豊富な水や空気と、生物たちが生きていくには欠かせない環境がその星には備わっている。  宇宙には、この天体とほぼ同じ様な環境を持った天体がいくつか存在している。    その中の一つが太陽系惑星『地獄』である。  地球とは対照的に赤い色をしたその惑星には、赤い水に紫色の葉を付けた黒い木が大地にあり。姿形は違えども、地球に住むそれと同じような日常を送る生物達たちがいる。  もし仮に、地球人が地球を離れ、この惑星へ移住したとしても、見た目の問題さえ気にしなければ住む上では何ら問題はない。  しかし地球にも人という生物がいるように、当然その星にも地球人と同じ人型の生物というものが存在している。地球と同じように、その生物が万物の頂点を占め、地獄という惑星を支配しているのである。  地獄に住む人型生物(以下、地獄人(じごくじん)とする)というと、大方の人はどんな姿をしているかある程度の予想がついているのではないだろうか。おそらくそれは半分位は当たっているだろう。  彼ら地獄人は、『鬼』の姿をしていた。    鬼と言っても、図書館の資料や、博物館などで見かけるような鬼らしい風貌とは大分違っている。確かに図体はデカく、一本の角は見えているものの、角は髪の毛からわずかにその切っ先を見せているだけであって、よく目を凝らさなければ視界には入ってこない。代表的な鬼の象徴であるトゲのついた金棒。虎の皮で作った様な衣服。酒。赤か青色の皮膚などというものは微塵も見えてこない。頭の角を除けば、男女共に背の高い地球人と考えて正解である。  これはそんな地獄人と、どこか似ているようで似ていない地球人達が宇宙規模で関わる物語である。  事の発端は、地獄人である酒天童子モトハルに向けて送られてきた地球人からの手紙を、部下の茨木童子ナオミが届けたところから始まる。
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