1章 饒舌なロボット

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1章 饒舌なロボット

「ヤァ!キミハハジメテミルカオダネ!」 道を歩いていた僕に、いきなりカタコトで話しかけてきたのは、人ではなくロボットだった。周りには、他のロボットも、人間もいなくて、その1体だけが妙に際立っている。 長い間誰とも会話をしていなかったせいか、反応するのに少し遅れてしまった。 ここは街の大通り、ではなくそこから脇の道に入って少し行ったところの、俗にいう「裏路地」だ。風は比較的穏やかで、砂嵐は見受けられない。 特に目的をもって入った訳では無く、大通りを歩いていて、変わらない景色に飽きを感じ、新しい景色を求め入ってみただけだ。 意外に快適な環境で、良かった。ついでに、謎が解けるといいなという甘い希望を持っているんだけれど。 「なんで君は喋ることが出来るんだい?ほかのロボットをたくさんみてきたけど、喋っているロボットなんてみかけなかったよ?」 「ムカシ、ソウプログラムサレタンダ!ソレハソウト、キミハメガアルノカイ?」 唐突におかしなことを聞く。僕を見ればすぐに分かることじゃないか。 目の前のロボットには僕が見えないのだろうか?     
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