1章 饒舌なロボット

2/5
前へ
/23ページ
次へ
「ワタシニハメガナインダ。セイカクニハ、アルケドキノウシテイナイトイウホウガタダシイケドネ」 なるほど。本当に僕が見えていなかったのか。僕が近くに来たことが分かったってことは、音かなにかで探知はできるみたいだ。 「そう言えばなんで街のロボット達はみんな新品なの?」 「コノマチニハ、ロボットノセイサントシュウリヲスルコウジョウガアルンダ」 工場?歩いている時に見かけた街の中心にある塔みたいなやつか。次はそこへ行ってみようか。 「それって、人間がやっているの?それともやっぱりロボットなの?」 「ワカラナイ。ワタシハコンナメダカラ、コウジョウニイケナインダ」 そうか。修理したくてもそこまで行けないのか。それはさすがに可哀想に思う。その工場にも行きたいし、とりあえずそこまで連れて行ってやろうか。特に不都合もない。 「そこまで一緒に行かない?興味あるし」 「エンリョスル。モウ、イッショウニンゲンノカオナンテミタクナイカラネ。キミモロボットナラワカルダロウ?」 まるで、普通の会話のようにそんなことを言い出した。 僕からしたら恐ろしいったらありゃしない。嫌いと公言しているようなものだ。幸い、僕のことをロボットと勘違いしているようだった。 人間とバレたら速、殺されるレベルだ。殺す手段があるのか、僕は知らないけど。     
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加