1章 饒舌なロボット

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「ホントニニンゲンナンテホロンデシマエ」 先程のテンションなんてまるっきり無視だ。機械音声で、トーンの違いなんて無いはずなのに、数段声が低くなったように聞こえた。 だが次の瞬間、頭のネジが外れたかのように元のテンションに、いやそれ以上か。 「アハ、アハハハハハ!!ニンゲンナンテホロベバイイノニ!!ギャハハハハハハハ!!!!!!」 完全に壊れている。頭も、機械のその体も。先程の陽気な雰囲気とも、そのあとの陰鬱な雰囲気とも似ても似つかない、得体の知れないものを感じる。これは普通じゃない。本当に殺されるだけで済むのか、怪しくなってきた。何をされるかわからない。危険すぎる。一刻も早くこの場を離れたい。 なのに、身体がいうことを聞かない。共感を求めて、気色の悪い耳障りな笑い声をあげて、近づいてくる。 まだ、人間だとバレていないはずなのに、殺される──いや殺戮か──その予感が頭の中をよぎる。 「アハ、ハハハ──ア──グギ──ガ」 恐怖に震える僕の目の前で、そいつは突然、笑い声をやめたかと思うと、そのままヒューンと音を立て、動きを停止した。いきなりの事で頭の整理が追いつかない。 壊れたのか......? 恐る恐る触れてみても、再起動する様子はない。     
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