気がつけば100P目突入だったのねw

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いかがでしたでしょうか。 混沌としたシーンから数日後に二人は別れることになるのですが、このお話を書いたとき一番最初に、下記の場面が頭に浮かんだのです。 *** 「そうだね。だけど君も知ってのとおり、俺は酷い男だからさ。人がキズついていく様を見るのが好きなんだよ。どん底に突き落として、もがき苦しむ姿を眺めてい――っ!」  次の瞬間、左頬に叩かれた痛みが走る。下から俺を睨むようにじっと見つめた千秋が、俺を叩いた右手を胸の前で握りしめた。 「酷い……。人の気持ちを弄んで、散々キズつけてそんな風に笑っていられるなんて。穂高さんなんか、……穂高さんなんか大嫌いだ……」  千秋の放った言葉が、心の奥深く棘のように突き刺さる。  だが泣き出してしまいそうになる気持ちを堪えて、更に笑いかけた。泣かないように頬の筋肉を引きつらせながら、痛いくらいに必死になって笑ってみせた。 「穂高さんが今まで俺に言ってくれたあの言葉は、全部ウソだったって言うの?」 「ん……。悪いがすべて作り物だ。君を騙すために吐き続けた。愛してなんていない」  最初から用意していた言葉を告げると、千秋の瞳に溜まった涙が次々と流れていく。まるで俺が流す涙を、代わりに流しているみたいだ。  千秋のつらそうな表情や自分の気持ちを偽っているせいで、胸の奥が張り裂けそうになるのを感じたとき、頬にポツンと冷たい物が落ちてきた。
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