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2018年2月3日(土)、週末のまとめ買いの買い物を終えてそのまま帰るところだった。
それなのに今日に限ってはペットショップのショーケースにいるワンコと目が合い、可愛いなと思ったのも束の間、相方が店の奥へズカズカ乗り込んでしまった。
いつもならスルーするはずなのに珍しいねと娘と会話し、その後を追いかけた。
目の前では相方がじっとミニチュアダックスを見つめていて、店員さんが話しかけ始める。
尚史の中ではミニチュアダックスといえば、凛々しい顔立ちのイメージなのに、ショーケースにいるそのコはまぶたの上にある白い毛が情けないくらいに垂れ下がっていて、しょんぼりした雰囲気を醸し出しているように見えた。
ブサ可愛いとはちょっと違うそのコを抱っこすることになり、娘が抱き方が分からないからと、いきなり尚史が抱っこすることになった。
(実家で猫を飼っていたことがあった経験が、こんなところで生かされるなんて驚きっすわー)
なんていう独り言を心の中で述べた後に手の消毒をしてから子犬を受け取り、しゃがみ込んでいた膝の上に載せてみる。
子犬って落ち着きのない生き物だと思ったのに、まるで借りてきた猫もとい犬のようにじっとしていて、久しぶりに感じる動物の温もりに、ほっこりねっこり癒された。
「こんな感じで抱っこしてみそ!」
言いながら娘の膝の上目がけて、強引に子犬を押しつけてみた。
相変わらずオドオドしている娘の態度を肌で感じて、子犬が不安になるかと思いきや、まったく動じる気配がない様子に、コイツは大物だなぁと思った。
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