破壊神、小春爆誕!

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そんなお利口になった小春は、尚史が自宅にいる時間がなくなった第一週に、お気に入りにしている玩具を壊した。 丸い発泡スチロールが頭の部分になっているピンクのウサギさん。通称ピンクさんの頭に巻いてる布を破り、それを食べながら発泡スチロールを破壊したのである。 布を食べている量が少なかったのでとりあえず様子見したら、5日くらいかけてピンク色のうんちょすが出てきた。 砕かれた発泡スチロールはベッドにばら撒かれていて、掃除機で吸っても回収不能だったから新しいベッドを買った。 しかーし、そのベッドが気に入らなかったのか、次の日には顎乗せ部分の布地を破り、綿をまき散らして以下同文――。 「くそぅ、壊したら新しいのを買ってもらえると思ったら、大間違いなんだからな! お前のベッドを買うために働いてるんじゃねぇぞ!」 老眼になりかけているっぽい両目を使って、必死に破かれた部分を縫い合わせた。 尚史が自宅にいる時間がなくなった第二週目。破かれたベッドを補修したのに、別の部分を食いちぎり以下同文! 「ホームセンターに売ってる、安っぽいヤツだったからダメだったんだって。ペットショップで、新しいのを買ってあげよう。今流行りの涼しい布地を使ってるベッド」 そう言った相方は自分の小遣いから千円を投資し、尚史セレクトで新しくてちょっと高めのベッドを購入した。水色と白のストライプ模様が見た目からも涼しさを演出していて、寝心地もホームセンターで買ったベッドよりもいいと思われる。
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