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か、かあさん・・・
道隆の脳裏に、
母親との思い出が、次々と浮かび上がる。
一緒に買い物に行ったこと、一緒に料理を作ったこと、
テストの成績を褒めてくれたこと、それから、それから・・・
そのどれにも母の笑顔があった。
道隆を、やさしく見守る笑顔が。
だがちょうど2年前の雪の日、道隆の母は死んだ。
急死であった。
道隆の母は、体の弱い方ではなかったが、
持ち前の頑張りやが災いしたのかもしれない。
心筋梗塞であった。
だが、道隆には、病名など、どうでもよかった。
あの、笑顔が二度と見られない現実が、
死ぬほど耐えられないのだ。
外は雪。
道隆は、小さい体から、考えられない位に泣き続けた。
時に、大粒の涙を流し、時にはすすり泣き、
2日泣き続け、そして泣き疲れ、その場に倒れた。
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