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早朝、目覚めた道隆は、おもむろに、
カーテンを開けた。
そこは、完璧なまでの銀世界が広がっていた。
道隆は大きく伸びをすると、
机の上のスマホが小刻みにゆれだした。
ゆっくりスマホを手にとる。
クラスメートの中沢からの着信だ。
「何の用だ、中沢?」
「何の用ってば、オメ~外みてね~の?」
「見たさ、それが何だ?」
「何だはないっしょ、雪だよ、大雪、2年ぶりらしいじゃん」
「雪で喜ぶとか、小学生か?」
「だってオメ~すげ~積もってんだぜ、都心で5メートル位って
テレビでいっててよぉ、当然休校だよなぁ」
“あのバカ、降らせすぎだ!”
「ふふっ」
道隆の口から、思わず笑みがこぼれた。
「あれ、道隆、今笑った?」
「いや、笑うわけないだろ」
「え~笑ったろ、クールの道隆が、初じゃね?」
「クールじゃないし、笑ってないし!!」
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