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『どうもで~す』
少年の背後から声がした。する筈のない声が。
だが、少年は、振り向きもせず、
「この部屋から消えろ!!」
一括すると、背を向けたまま机についた。
『あれ~どういう事かな?』
背後の声は、食下がる。
が、少年は、中学校数学2年の教科書を手に取り、開きだした。
『いや、いや、おかしいでしょ、こっちが話かけてんのに無視って?』
少年は、無視してページをめくる。
『ねぇ、無視すんなよ~ねぇ、ねぇ、ねぇ・・・』
少年は、教科書を強めに閉じると、背を向けたまま、
「めんどくさいんだけど、ホントめんどくさい!!」
『え、え、なにが?言ってみて?』
「僕の部屋のドアは、特別製の2重ロック、音もたてずに入る事は不可能」
『ふむ、ふむ』
「であるなら、考えられるのは霊的現象」
『ほう、ほう』
「でも、会話の成立さに、明るい電灯下に出てくるリスキーさの考慮、
それに、そもそも僕に霊感は、まったくない」
『となると?』
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