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「知り合いでもないのに、気持ち悪い事言うな!」
『知り合ったさ、マサに今、ナウに。』
道隆は、宇宙人の言動に、ため息をつきそうになり、
慌てて、なんとか押しとどめた。
自分が、ため息なんて無駄な感情を出してはいけないのだ。
道隆にとって、感情ほど非効率なものはないのだから。
『んじゃ、帰るよ、ミチタカ。』
「そうか」
『何それ~つれない返事じゃないか、ミチタカ?』
「いいから、さっさと帰れよ!」
『わかった、わかったよ、ミチタカ、ほんじゃ!』
宇宙人の言葉尻とともにホログラムは一瞬で消えた。
「なんだったんだ、あいつ」
道隆は、また、ため息をつきそうな自分を、
押しとどめた。
今日は、やけに感情が出やすいのか、
心がみだれているのだろうか。
自分が、感情に振り回されるなんて。
道隆は、軽く頭を振ると、窓をみた。
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