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タツオはクニに叫んだ。
「呂班、攻撃が遅い。サイコとテルはほぼ敵を殲滅(せんめつ)したぞ」
「わかってるよ。なんか、おれ雲山改の操縦苦手なんだよな」
そういい返しながら、クニも確実に敵の戦力を削っていた。装甲車を破壊し、竜樹の砲身に雲山改の脚部で強烈な打撃を加える。120ミリ砲の砲身はデリケートで、すこしゆがむだけでつかいものにならなくなるのだ。
背後からクニの雲山改を狙っていた竜樹を、ジャクヤの砲弾が仕とめた。三脚の大型戦闘ロボットはその場に座りこむように落ちる。
タツオは視点を伊班に切り替えた。装甲車と竜樹はすでに落としている。残されたのは散開する歩兵だけだった。半数は逃げていくか、残り半分は効果のない手榴弾と自動小銃で抵抗を続けていた。このなかで危険なのは肩に対戦車ミサイルをかついだ数名だけだ。
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