60人が本棚に入れています
本棚に追加
サイコは冷静だった。ロケットランチャーをもった兵士だけを、雲山改の機関銃で狙い撃ちしていく。雲山改の機関銃は対装甲車用の重機関銃なので、アーマーをつけていても胴体の中央に着弾すれば文字通り上下に人体は千切れ飛ぶ。腕のつけ根なら、腕はきれいに切断されるし、頭部ならヘルメットごと頭蓋骨は爆散するのだった。
逃げていく兵士の背中を撃ちながら、テルの雲山改が二機敵兵のなかへ飛びこんだ。長い脚部をふるって、敵兵に打撃を加えていく。人の身体がピンポン玉のようにおかしな回転をしながら飛んでいくのだ。
タツオは叫んだ。
「逃げる歩兵は追うな」
テルの雲山改はぴたりと停止した。だが口のほうはとまらなかった。
「やつらは逃げたら、より高性能な武器をもって反撃してくるんだぞ」
最初のコメントを投稿しよう!