パイレックスの窓

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パイレックスの窓

僕はナビ。 この世界の案内人だ。 今日はノングレア処理されたパイレックスの窓について解説しよう。 まず主人公が住んでいた世界閉鎖都市でも最近開発されたレトミックスの窓について説明する。 これはパイレックスの窓が開発される前に出来た窓で、パイレックスとレトミックスは同一視される事も良くあるが全くの別物である。 簡単に言えば、LEDライトと蛍光灯くらいの違いがある。 文中に出てきたパイレックスの窓は、 電気を流す事で分子配列を乱し光をを遮断する、 それ以前に使われていたレトミックスはもともと 分子が乱れているものに電気を流す事で分子配列を一列にし透明にする原理だった。 ガラスが透明なのは分子が一列に並んでいるため、その間から光が入るからだ。 図で言うと下の様な感じ。  ↓光  ↓光  ↓光  ↓光 ○ ○ ○ ○ ○ ○↓○ ○↓○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  ↓   ↓  ↓光  ↓光 この様に光が透過する。 殆どの物体が光を通さないのはこの分子が一列に 並んで無い為なんだ。 こんな感じ↓。  ↓光  ↓光 ○   ○ ○ ○ ○ ○ ○↓ ○ ○  ○  ○ 分子にぶつかって跳ね返される。 パイレックスもレトミックスも光を遮断するブラインドのような システムは同じだから同じ様に考えられる事が多いが明確に違いがある。 電気で透明になるか、電気で透明なものが透明で無くなるかだ。 レトミックスの窓では常に電気を流してないと透明な窓の役割を果たさず停電になれば一斉に暗くなる。 これに対しパイレックスの窓は普段はそのままで窓として機能し暗くしたい時だけ電気を流せば光を遮断する。 この(ため)、停電になれば自然と窓は透明になり外の光を取り入れられるんだ。 この事からも少年の住む世界の化学力はまだまだとわかるだろう。 少年が僕を人工知能の様な下等なものと同一視したのも、 許してやるか。
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