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香は、仲子とは正反対の少女だ。
茶褐色の肌に、クリクリとした目、まるでリスを思わせるような顔立ちに、仲子は勝てる気がしないのだった。
「香ちゃん、そういえば、この前教えた映画は、どうだった?」
「あの、魔法使いさんが喫茶店で色々とやらかすストーリーのことかしら」
「うん、そうだよ」
香は、仲子とは違って男子にモテる。
そんな彼女のことを、少なからず羨んでいる仲子は、香にライバル意識を持ち合わせていた。
「あれは、なんだかお姫様になった気分で、とても良い感覚に浸れた作品でしたわ」
そう、スキップを踏みながら言った香は、やっぱりかわいい。
(香ちゃん、なんでこんなに綺麗なんだろう)
仲子は、嫉妬心を露わにしたのだった。
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