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蜘蛛の糸
無駄に長い通路を進むと、またドアがある。
「…待合室?誰か居んのかここ。」
ガチャ。…立ち止まっても仕方ないだろうしな。行くしかねぇ。
「…かびくせぇ。」
部屋の内装はまあ、いかにも待合室って感じだが。
「机の上のあれは…新聞か?もうちょい丁寧に置いとけよ…。」
バラバラの新聞を手に取る。
『100年に一度の太陽』
日付を見る限りどうやら今日、日食らしい。
「ふーん…。」
興味は無い。日本のどこでも見れるらしいが。
「…んぁ?」
よく見ると、ページ数の横に赤いペン(鉛筆か?)で数字が書いてある。
「4…2…1…3? なんだこれ。」
2ページの横に「4」
5ページの横に「2」
8ページの横に「1」
4ページの横に「3」 と書かれている。
「なんかの番号か? …まあ必要ならまた見に来るか。」
机の上にあるのはこのくらいだ。
「…ったく。」
ふと天井を見上げる。
「…ん?水かあれ?」
よく見ると天井には水が浸みているようで、ポタポタと床に落ちている。
「…でも、床は濡れてねぇのな。」
よくわかんねぇがスルーしよう。
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