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クトゥルフTRPGとはなんぞや。
一言で言えばそれは「未知から来る恐怖を楽しむ仮想現実」である。
人は悪夢にうなされていても、目が覚めればそれが夢であった事を知った時に安堵し、心地よさを感じるイキモノである。
故に、わけのわからぬうちに己が肉体を、
精神を削られ、
名状しがたきシロモノが扉一つ隔てた向こう側で荒く息を潜め、
窓の向うから覗き込む奴らを恐れおののく状況に置かれ、
それでもなお人の知恵を武器に抗い、
なすすべなく発狂し、
あるいは万に一つの幸運を拾い生き残れた事に愉悦を感じるのだ。
それがTRPGであり、仮想現実であり、ゲームだからだ。
現実の貴方の肉体は傷一つ負わず、
精神は狂気に侵されず狂喜に満ち、
気の合う仲間と共にセッションをやり遂げた達成感を得るだろう。
現実ではないから。
・・・そう、だろうか。
クトゥルフが、しょせん海外の小説家の空想、
果ては妄想から産まれたただの与太話、お伽話、怪談の類だと思うだろうか。
作者のメッセージは常にこう問うているように感じないだろうか。
「貴方が気がついていないだけで、この『恐怖』は貴方のすぐ側にいるのだ」と。
そして、「それ」に備えられるように、クトゥルフTRPGはあるのだ。
・・・大げさだと思うかね?
貴方が寝ている間に、その顔を覗き込む存在を感じたことはないか?
貴方がシャワーを浴びている時、背後から息遣いを感じたことは?
今この文章を読んでいる間、上から見下ろす影はないだろうか?
それともこう言えば伝わるだろうか。
この文章そのものが「呪い」である、と。
読んでしまえば貴方は人ならざるものを意識せざるを得なくなる
奴らはそれを嗅ぎつけて貴方の元へ近づくだろう
読んでしまえば それは奴らを呼んでしまうことにほかならない
畏怖し 忌避し 恐怖する貴方の元へと彼らが押し寄せる
もはや 逃れるすべ はない
これは 目が 覚めて安心す ることの出 来る悪夢ではなく
忌まわし くもおぞま しい現実、なのだから
ほら、最初 の「彼ら」が やって き た
今 一番近 い窓 に目を向 けると良い
そこ に い る
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