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昭和生まれ。それだけで平成生まれの人間から「世代が違うから」などと一つ壁をつくられることがある。
蓋を開ければたった二日間のことなのに。
なんという理不尽。
私の誕生日は昭和64年1月6日。翌々日の1月8日から年号は平成になった。
同級生は昭和生まれが多かったけれど、やはり平成生まれがなんだか羨ましかった。
昭和歌謡、昭和ファッション、昭和グルメ、全ての聞こえが古臭く感じる。
平成というだけで真新しく感じてしまうのは私だけではないはず。
祖父にそのことを話したことがある。
すると祖父は私の頭を撫でて言った。
「昭和も通ったことを、いつか自慢になる日が来るさ。じーちゃんは大正15年に生まれて、昭和を生きて、平成も生きている。春になれば新しい年号に変わる。4つの時代を生きることになるんだぞ、すごいと思わないか?」
祖父が生まれた大正15年は、大正最後の年だ。祖父は現在92歳。庭仕事も家事もこなす祖父はきっと無事に新しい年号を迎えることができるだろう。
4つの時代を生きることは確かにすごいと思うけれど、羨ましいかといえばそうは思わない。
「ま、今のうちよの。春になれば平成生まれも一世代前よ」
そしたら私は二世代前じゃないか。
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