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小さいながらも都内に一戸建をかまえ
庭の横にはほとんど乗らない外国製の車を所有。
夫はそれなりに名のある企業に勤め将来の不安も不満も無い生活。
一点のくもりを除いては……。
夫の収入で充分に暮らしていけるから
私は外で働く必要もなく
テレビがつけっ放しの家でひなが一日ぼんやり過ごしていた。
独身時代から優しく紳士的だった夫は今も変わらず不満も無い。
だけど私は……。
子供の大好きな夫の赤ちゃんをなかなか授かる事ができなかった。
その事私達夫婦に見えない影を落としていた。
義理の母が定期的に電話をして来る。
孫の誕生を心待ちにする余りにしょっちゅう探りを入れてくるのだ。
私の憂鬱と言えばそれ位のものだった。
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