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トランクに詰め込んでいた釣り竿や、
他の釣り道具類が、
崖のあちこちに散乱していた。
手頃な竿を杖代わりにして、
微かに見える崖の上を目指し、
這いながらわずかずつ登って行った。
痛みを堪えて前進する。
しかし、
二~三メートルも進まないうちに、
喉がカラカラに乾いてきたので、
手当たり次第にコーラの空き瓶、
缶コーヒー、
ジュースを漁った。
が、
中から出てくるのは砂ばかり。
仕方なくわずかに生えている草をしゃぶったが、
単に苦いだけで、
かえって渇きが増すだけだった。
裸眼〇・〇二の視力で周囲を見渡すと、
ぼんやりとではあるが、
右前方三十~四十メートル離れた所に、
森か林のような木々が生い茂っている一帯が見えてきた。
苦痛と戦いながら、
一~二時間も費やし、
やっと大きな木の根っこに身体をもたれかけて、
気持ちのいい休息が出来た。
まるで、
天にも昇るような心地良さだった。
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