1人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、
まさにその時だった。
奇妙な経験したのは……。
左に五十~六十メートル離れた所に、
崖の上からツツー降りて来た男女が見えたのだ。
二人とも冬山の登山姿をし、
楽しそうに話をしている。
その話の一語一語を明確に聞き取れる。
私は、
ここぞとばかりに大声を張り上げた。
「助けてぇー、
助けてぇー助けてぇー、
助けてぇー……」
何度も何度も出せるだけの大声で叫んだが、
一向に気付く様子もない。
二人は、
仲良さそうに十分程話していたのに、
その姿は忽然と私の視界から消えしまった。
最初のコメントを投稿しよう!