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突然、
背筋に大きな氷の塊を入れられたように,頭の先からつま先まで、
ぞくぞくと寒気がした。
同時に、
何とも表現出来ないおぞましい恐怖と嘔吐を感じ、
その場で吐いてしまった。
そんなにも離れた場所にいる二人の、
細かな表情や囁く声が聞こえる筈があり得ないからだ。
きっと、
この辺で遭難したであろう自縛霊達なのに違いないと思われる。
今まで私には霊感なぞ全然ないのに、
細かい所まで見えたのは、
何かの悪い予兆なかも知れないと思うと、
心底薄気味悪かった。
疲労困憊し木の根元に凭れてから、
一~二時間後であろうか、
遥かかなたの崖上で人声を耳にした。
思いっ切り振り絞る声で助けを呼ぶと、
私の存在に気付いてくれ、
救急車の手配をして下さったらしい。
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