第1章

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 十分程経過して助けに来て下さったのは、 救急隊員ではなく、 制服の上からでも判る程、 筋骨隆々マッチョなレンジャー隊員だった。 最初、 私を担いで上がる予定だったらしい。 が、 全身に激痛が走ると訴えると、 太いロープを張り、 正式な名は知らないが竹で編んだハンモックのような籠で、 頂上まで運んでもらった。 でも、 途中で何度も木の枝にハンモックが引っ掛かり、 その都度呻き声を出しながら、 何とか道路に待機していた救急車まで辿り着くことが出来たようだ。 道路に上がった時、 警察関係か報道関係のヘリが四機上空を旋回していたのを、 鮮明に憶えている。
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