1人が本棚に入れています
本棚に追加
そして間もなく意識も身体も、
愛車と共に漆黒の深い奈落の底に吸い込まれて行った。
それから何時間経過したのだろうか? 混濁していた意識が、
現実世界を少しずつ認識し始めた。
近視の為眼鏡をかけていたが、
落ちる途中でフッとんだのだろう。
裸眼でぼんやり見えたのは、
砂防ダムの近くに、
タイヤが曲がり原型を留めない程ペシャンコに大破し、
底を上に向けた愛車であつた。
まだゆっくりとタイヤが回転していたので、
落ちてから余り時間が経過していない。
と言う事は、
落下後直ぐに意識を回復したに違いない。
幸いにも、
愛車は、
映画やテレビで見るような炎には包まれていない。
最初のコメントを投稿しよう!