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「零くん。
開けるよ」
雪見が零の部屋のドアを開けると……
★ ☆ ☆
「初めまして、
清水恭介君。
わたくし、
一夜零くんの裏人格でゼロと申します」
「……」
天文台に到着した恭弥の前に現れた零と顔と姿が全く一緒のゼロと名乗る男。
唯一、
零と違うのは、
いま、
自分の目の前に居るのは、
自分が知ってる、
超が純粋でそれと、
同じく冗談が通じないあいつとは、
似ても似つかない。
だって、
いまのあいつはこんな風に、
自分から他人に関わろうとしない。
だから、
ここに居る自分の事をあいつの裏人格と名乗るゼロという男は……
「そんなに警戒しなくてもなにもしませんよ。
君に指一本でも触れて、
もしもの事があったら、
零くんは、
本当の意味で独りぼっちになってしまいます。
彼にとって、
君は、
幼馴染である以上に、
血は繋がっていないけど大切な家族の一員だから」
★ ☆ ☆
「全く、
あの時は、
びっくりしましたよ」
「本当に、
そう思いました? わたくしには、
そんな風には、
見えませんでしたよ?」
「……二人しか居ないんですから、
敬語は止めてくれませんか?」
「……場所が場所だから、
気を使ってみたんだけど」
「いいですよ。
貴方に気を使われると、
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