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けれど、
表に出ないように抑え込む。
「考えてません」
「本当に? 君ってさ嘘つく時、
いつも決まって、
左頬が少し膨らむんだよね。
そして、
いまも左頬が少し膨らんでいる。
さっきまでは、
膨らんでなかったのに」
「……」
「何も否定しないって事は、
正解って捉えていいのかな?」
ゼロの顔が目の前にくる。
顔は、
笑っているのに、
目はどこか違う所を見詰めている。
「……僕の負けです。
ゼロさんには、
嘘が通じませんね? 零と違って」
白旗を上げた恭弥に、
ゼロは笑いながら、
一瞬間をあけてこう付け加えた。
「……当たり前だよ。
俺は、
零くんの裏人格なんだから。
まぁ、
昔の零くんだったら、
すぐ、
他人を信じたかも知らないけど……」
「……」
一歩、
うしろに下がる。
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