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けれど、
ここを逃したら……あいつに俺も気持ちは届かない。
「もう一度、
こいつと話をさせて下さい」
恭弥の言葉と顔で何かを感じ取ったのか、
驚く事もなく、
むしろほっとした様子で口を開く。
「零くん、
おばちゃん先に帰ってるから、
恭弥君に家まで送って貰いなさい」
手を振りながら、
二人の間をすり抜けて、
そのまま駐車場から出て行こうとした雪見が、
急に何かを思い出したかのように恭弥に近付き耳元に囁く。
「さっきまで、
この子じゃあなくてゼロと話してたんでしょ?」
「どう……」
なんでゼロの事を知っているのか確かめようと、
顔を雪見の方に振り向こうとしたら、
左手で口を塞がれてしまった。
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