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そして、
三十秒後……
『……そういえば一夜君は、
どうして仕事を捜しているの?』
無音から復活した黒鳥がさっきとは、
明らかに違う冷たい声で自分にどうして仕事を探しているのか訊いてきた。
「……」
その声に今度は、
俺の方が無音になる。
(さっきと全然声が違う…なんか怖い。
俺、
もしかしてやばい所に電話した?)
俺は、
携帯を耳元に当てながら、
目の前の募集チラシを見た。
けれど、
何度確認してもおかしな点はまるでない。
けど、
電話口の黒鳥の口調がまるっきり変わった。
(もしかして俺のせい? 俺が社長さんの質問に無言になったから)
『一夜君?』
無言になった自分を責めていると電話口から自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
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