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ここは、某私立大学である。建前では、偏差値が65前後の学部が設置されていて、一般入試に合格すれば誰でも入学できる。だが、世間的には良家の子女が学ぶ名門校であり、インペリアルカレッジと呼ぶ人が多い。その学生さんの中には、皇族の子女が学ぶからだ。
その大学へ誰か皇族の方が在籍してる間は、マスコミが雑誌のネタにしようと常に大学の周辺で待ち構えている。他の学生さんも報道陣に慣れていて、あわよくばとクルーの回りをうろつく者までいる。
そうした中、宮さまが校門へ向かって歩き出した。マスコミは、フラッシュを焚きながら宮さまに何かインタビューをし始めた。宮さまは、適当に質問をはぐらかしながら迎えの車に乗るとそのまま御所へ向かって走っていった。
毎日がこんなありさまだから、宮さまに対して複雑な感情を抱く学生が少なからずいる。何人かで集まって、「宮さまが来たら、やっつけてやる!」と息巻く身の程知らずな対決を試みるのだ。
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